関東鉄源協同組合では第14回通常総会を9月16日、神奈川県・箱根町の湯本富士屋ホテルにて開催しました。
総会では、昨年度の事業報告、次年度計画、役員改選などの各議案は滞りなく承認されております。
以下に理事長・山下雄平の挨拶および事業報告を掲載いたします。
理事長 山下雄平
理事長 山下雄平
「現在の鉄スクラップの相場は前年同時期と比べ、1万円以上も安値にあり、昨年度は右肩下がりの推移となった。結果、組合による船積みの7割以上が域内相場を上回るなど、組合輸出はまずますの内容であったが、個々の組合員の実商いは厳しい状況が続いているのが現状だ。ただ、こうしたなかでも、1トンの誤差も無かった5社含め、組合員全体が組合の船積みに高い意識を持って品質と数量を守っていただけたことを感謝したい。また、最近業界内では先行きに対する不安が台頭し、大きなニュースとして業務提携などが起きているが、我々の組合は15年前から共同販売に意義を見出し取り組んできた相互の信頼関係に基づく提携と言える。放射能に関しても0・2μSV/hという厳しい基準を設け、引き続き高品質なスクラップの供給を徹底すれば必ず道は開けていくと確信している。市況要因としては、中国要因や鉄鉱石価格下落等様々指摘されるが、いずれ中国や韓国が我が国とスクラップ輸出で競合する時代が来るだろう。そのなかで2年前から有志で新たな市場として成長が見込まれるインドの市場調査を実施し、引き続き継続する方針である。個々の企業で対応が困難な課題と向き合い、今後10年、20年という長いスパンを見据え、組合員各社にとって良い未来が創造出来るよう1つの目標を持って取り組んでいきたい」。(要旨)
また、平成27年度(2014年8月〜2015年7月)の実績については、前期比約1万4000トン増の25万281トンと過去最高となり、売上金額も77億8000万円と組合史上2番目となる高水準となりました。一方、平均落札価格は2万7425円と前年度比6076円下落しました。次に、組合の船積みについては、相場が下落基調で会ったことを受け34船中26船が浜値に比べて高値となりました、輸出先は、ベトナム向けが昨年度と比較して2倍の15万トンに急増、台湾向けも1・4倍の5万トンに増加しましたが、これまで主力の輸出先であった韓国が9万トン減の3万6000トンにまで落ち込みました。この販売先変化要因については、放射能問題や韓国経済に起因するものと考えられます。
今後とも当組合へのご支援をよろしくお願いいたします。
2015年9月16日 関東鉄源協同組合